萱のり子 著、大阪大学出版会、2000
284p 27cm
「書」は書き直しのない1回の所作によって線が引かれ、そこに形象ができる
近代的芸術として今日に生きている書を「書く」という行為から見るとき、新たな美が現れるのではないか
書道家でもある著者の目は、伝統的作品の中に古代人が筆をもつ時の心の動きを読み、かなの生まれる様子を跡づけていく
こうした視点から、日本は中国の文字や書をどのように受け入れ、どのように変容させたのか
そして書くという行為からますます離れていく現代人にとって、書の課題とは何かを提示している